クラシックブロック、実は”廃止プロセス”がもう始まってます【2026年8月最新】
WordPressサイトを運用していて、こんな経験はありませんか?
「あれ、前は使えてた『クラシック』の段落ブロック、ブロック挿入メニューのどこ探しても出てこない…」
もしこれに心当たりがあるなら、それは気のせいでも不具合でもありません。実は今年(2026年)5月から、Gutenbergのクラシックブロックは静かに”廃止へのカウントダウン”が始まっているんです。今日はこの件について、現時点でわかっている事実を整理してお伝えします。
結論:完全終了ではないが、すでに動き出している
- クラシックブロックはまだ完全に廃止されたわけではない
- ただし廃止に向けた最初のステップはすでに実行済み
- 既存記事のクラシックブロックは今のところ動作する
- とはいえ移行準備を始めるべきタイミングに入っている
何が起きたのか:2026年5月のPRマージ
2026年5月、Gutenberg開発チームは「gutenberg-no-tinymce」という実験的機能を、デフォルトの標準動作へ格上げするPRをマージしました。これによって何が変わったかというと、
クラシックブロックがブロック挿入ツール(インサーター)から常に非表示になる
という仕様になったんです。wp_classic_block_supports_inserter フィルターで明示的にオプトイン(有効化)しない限り、新規記事でクラシックブロックを新たに追加することは、事実上できなくなりました。
さらに同じタイミングで、開発チームは「Block Library: Deprecate Classic Block and TinyMCE」という追跡Issueを正式に立てています。ここには、クラシックブロックの段階的な非推奨化、将来的な完全撤去(オプトイン専用化)、TinyMCE自体もオプトイン専用へ、という方針が、はっきりゴールとして明記されています。「そのうち検討するかも」ではなく、「これを目指して進める」という明確な意思表示だと捉えていいでしょう。
なぜ狙い撃ちされるのか:クラシックブロックだけが”異端児”だから
ここが個人的に一番面白いポイントなんですが、理由がとても明快です。Gutenbergの他のブロック(段落、見出し、画像…)は、すべて統一されたブロックツリー構造の上で動いています。ところがクラシックブロック(内部名:freeform)だけは別格で、TinyMCEという別のエディタエンジンを経由して描画される、唯一の例外的存在なんです。
これはアーキテクチャの一貫性という観点からすると、かなり異物です。しかも厄介なのが、
インサーターから非表示にしても、裏では毎回 core/freeform が登録され、TinyMCE連携用のモーダルが読み込まれ続ける
という「隠れコスト」がずっと残っていること。ユーザーの目に見えないところで、使っていない人にまで負荷がかかっている状態というわけです。開発チームからすれば、これは撤去したくなって当然ですよね。
今、実際どうなっているのか(2026年8月時点)
現状を整理すると、こうなります。
つまり「今日から使えなくなる」という話ではありません。ただ、開発の舵はハッキリと「撤去」の方向に切られていて、後戻りする気配は今のところ見えない、という状況です。
クラシックエディタ本体との違いに注意
ちなみに紛らわしいのですが、これは「Classic Editor」プラグイン本体の話ではなく、Gutenberg内のクラシックブロック(旧TinyMCEの段落編集)についての話です。Classic Editorプラグイン自体は、公式ページ上で「少なくとも2024年まで、または必要な期間サポート」という表現が使われ続けており、これまでも延長を重ねてきた経緯があります。既知の重大な脆弱性も確認されておらず、最新版を使う限りセキュリティリスクは低いとされています。とはいえ、Gutenbergを優先する開発方針そのものは一貫して明確です。「クラシックエディタ本体」と「クラシックブロック」、この2つを混同しないようにしておくと、今後の情報を読み解くときに迷いにくくなります。
サイト運用者として、今やっておくべきこと
今すぐパニックになる必要はありませんが、備えあれば憂いなし。特に複数サイトを運用している方には、以下をおすすめします。
- ✓ 既存記事の中にクラシックブロックが残っていないか棚卸しする
- ✓ 段落・画像などをGutenbergの標準ブロックへ少しずつ移行していく
- ✓ 新規記事ではそもそもクラシックブロックを使わない運用ルールに切り替える
- ✓ WordPress/Gutenbergのアップデート情報を定期的にチェックする
一気にやる必要はありません。むしろ「型」を身体に染み込ませるように、コツコツ移行していくくらいがちょうどいいと思います。武道の稽古と同じで、変化を急に無理やり詰め込むと、どこかで綻びが出ますからね。
まとめ
- クラシックブロックは完全終了ではないが、廃止への最初のステップはすでに実行済み
- 2026年5月、常時非表示化のPRがマージされ、追跡Issueで「廃止」が正式ゴールに明記
- 理由は「TinyMCE経由で描画される唯一の異端ブロック」であることと「隠れたパフォーマンスコスト」
- 既存記事は今のところ動作するが、移行準備を始めるべきタイミング
WordPressの世界は、こうした「静かな仕様変更」が積み重なって、ある日気づくと大きな変化になっていることがよくあります。今回のクラシックブロックの件も、まさにその一つ。今のうちから少しずつ手を打っておきましょう。
それでは、また次の記事で。
